しんやの刃

深夜のヒソヒソばなし

オカルトのはなし⑥

怪奇事件ファイル6【広島一家失踪事件】

 2001年6月3日の深夜、広島県世羅町に住む山上家の家族4名が忽然と姿を消してしまいました。翌日、一家失踪を知った親類が警察に捜索願を出した事によって、地元警察や広島県警による大規模な捜索が行われます。また、山上家の駐車場から車もなくなっている事から、車で出た可能性も考えて、上空にヘリコプターを飛ばしたり、Nシステムでの探索も行ったものの、一家の足取りは全く掴めずに捜索は難航しました。それから約1年後の2002年9月7日、広島県世羅町の京丸ダムの湖底で1台の車が転覆しているのを通行人が発見して警察に通報。駆け付けた警察官たちがその車を引き揚げて調べたところ、車の中に4名のご遺体が発見された。そしてそのご遺体は、捜索中の山上家の4名である事が判明しました。

 ご遺体となって発見されたのは山上家の主人・山上政弘さん(当時58歳)と、その妻の順子さん(51歳)、長女の千枝さん(26歳)、祖母の三枝さん(79歳)、加えてペットの愛犬・レオである。

 しかしこの失踪事件についても不可解な点が多いのです。一家は皆、他者との揉め事や金銭トラブル等の特別な問題を抱えていたという事実はないので、一家は何らかの事件に巻き込まれた可能性があるのでは?拉致事件神隠し?といった様々な憶測が囁かれ事件当時から今も尚TVやネット上で取り上げられいるミステリアスな失踪事件です。

 

不可解な点

❓謎その1・・・夫婦仲は良好で、家庭内や職場や近隣住民との大きなトラブルもなく、ましてや金銭面で困っている事もなく、借金もなかった。

❓謎その2・・・家の中には侵入者の痕跡や争った形跡、薬物も検出されていない。

❓謎その3・・・失踪当夜、なぜか全員パジャマ姿にサンダル履きのまま車に乗り込んでいる。台所や廊下などの電灯は点けっ放し。翌朝の朝食の用意もしたまま。玄関の鍵は施錠されていたが、勝手口の鍵は開いたまま。一家の定期貯金も手付かずのまま。更に政弘さんや千枝さんや順子さんの携帯電話や貴重品なども置いたまま、ほとんど着の身着のまま何も持たずに外に出て、車に乗り込んでいることになる。

❓謎その4・・・長女の千枝さんは家族とは別の場所でアパートを借りて一人暮らしをしている。そして3日は小学校の授業参観日であり担任の千枝さんは出勤していた。その後は保護者たちとの球技大会に参加し、午後21時半頃に同僚を自分の車で送っており、その際に千枝さんは母親に電話して「化粧品を実家に忘れたから取りに行く」と告げているのを、傍にいた同僚が聞いている。なので、本来ならこの当夜は実家に帰る予定ではなかった。

❓謎その5・・・千枝さんは結婚間近であり、両親もそれを祝福していたにも拘わらずなぜこういう事態に陥ったのか?

❓謎その6・・・妻の順子さんは翌日、勤め先の社員旅行により中国へ出発予定であった為、荷造りした旅行バッグもそのまま置かれ、そのバッグの中には旅行代金15万円が入ったままだった。

❓謎その7・・・翌朝、午前4時に新聞配達員が山上家を訪れた時、既に山上家所有の自家用車はなかったと証言している。

❓謎その8・・・当夜10時50分頃、車のドアが「パタン」と閉まる音を近所の者が聞いている。

❓謎その9・・・当夜、政弘さんの運転する車と途中で擦れ違ったという人の証言によると、4人は無表情のまま真っ直ぐ前だけを向いていたという。

❓謎その10・・・京丸ダムの入り口には車止めがあり、間違えて進入する事はない。運転操作を誤って転落するほど危険な道幅ではない。

❓謎その11・・・転覆していた車の運転席に座っていたのは夫の政弘さんであり、他の3人と同様にシートベルトをしたままであった。その後、警察による司法解剖が行われたものの、事件から既に約1年が経過しており、しかも長期間水中に放置されていた為に損傷が酷く、明確な死因は特定できなかった。

 

🕵🏻‍♀️仮説その1・・・妻の不倫を苦にした夫が無理心中?妻の順子さんが勤務する採石会社の上司と不倫しているとの噂があり、その事について夫の政弘さんが思い悩んでいたとの証言もあるので、その失踪当夜に妻と口論になり、失望した政弘さんが家族全員を道連れに無理心中を図ったのでは?

🕵🏻‍♀️仮説その2・・・ストーカーによる犯行?一人娘の千枝さんは、小学校の教師であり評判の 美人であった為、彼女に歪んだ感情を抱くストーカーによる犯行という説もありましたが、そういったストーカーの存在は確認されていませんので✖です。

🕵🏻‍♀️仮説その3・・・地元の地主の家系である山上家。貯金は2000万円ぐらいあったという。だが、過去に政弘さんの実弟が事業に失敗し、政弘さんの父親がその会社の連帯保証人になっており、金融会社の厳しい取り立てによって先祖代々の田畑を売ったり揉めた事があったそうです。だが、それは1992年の事であり今は揉めていない。

 

 どういう理由があるにせよ、ごく普通の一家四人がある日突然このような死を迎えてしまい、さぞ無念であろうと思います。ご冥福をお祈りいたします。

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