しんやの刃

深夜のヒソヒソばなし

社会問題のはなし⑨

  今夜のお題「旭川女子中学生いじめ事件」

 2019年4月、北海道旭川市の市立北星中学校に入学したばかりの女子中学生・廣瀬爽彩(ひろせさあや)さんは、たまたま知り合った二歳年上の女子中学生・A子と仲良しになり、公園でお喋りしたり、オンラインゲームで遊ぶようになりました。しかし途中からA子の友人B男と、別の中学に通うC男が加わり、これが事の始まりでした。やがてこの男子AとBが「裸の動画を送って」「裸の写真でもいいから」「お願いお願い」「送らないとゴムなしでやるからな!」等のLINEメッセージを執拗に送り付けて爽彩さんを脅迫したそうです。恐怖のあまり爽彩さんは自身の猥褻画像をその男子に送信してしまい、するとその猥褻画像があっという間に拡散されてしまう事態に。

 その後、小学生を含む複数人で爽彩さんを囲み、自慰行為を強要するという事件もあったそうです。それによって明るく活発的だった爽彩さんから笑顔が消え、思い悩む表情を見せる事が多くなり、遂には「死にたい・・・」と漏らしだした爽彩さんを心配した母親が、学校へ赴いて相談したが、学校側は「イジメはありません」と返答するのみ。

 そして2019年6月下旬、爽彩さんはA子やB男らを含む計10人近くの集団に囲まれる中、皆に煽られて地元のウッペツ川へ飛び込み自殺を図る。だが、騒ぎを聞いて駆け付けた教員たちによって爽彩さんは無事救出され一命を取り留めたものの、それ以来彼女は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患って入院を余儀なくされ、引っ越して別の中学へ転校しても傷付いた身心は癒えずに不登校が続き、自宅で療養生活をするようになってしまいました。

 2021年2月13日。爽彩さんは氷点下17度の極寒の夜に突然家を飛び出したまま帰らず、心配した母親が警察に捜索願を出し、大掛かりな公開捜査が開始されたが、一向に足取りが掴めず捜索は難航する。そして約1か月後の3月23日、自宅から数キロ離れた公園で爽彩さんが発見されました。降り積もった雪の下で凍死した状態のまま。検死によると《遺体に目立つ外傷はなく、低体温症による死亡》と判明。

  

 💥ここが腹立たしい!!

👎🏻愛娘さんの異変に気付き、心配した母親が4月~6月の間に4回も担任の女性教師のもとへ相談に訪れてイジメの調査を求めたのだが、担任は親身に聞いてはくれず、あげくに「あの子たち(B男君たち)は、ちょっとおバカだから気にしないで下さい」「今日は彼氏とデートなので、相談は明日でもいいですか?」と返答。

👎🏻爽彩さんご本人も担任のもとへ相談しに行き、その際「絶対に相手(A子ら)に言わないでほしい」と頼んだ上で助けを求めたのに、その担任は不用意にA子らに直接話して注意したのである。その結果、告げ口した爽彩さんに怒ったA子たちは、ますますイジメをエスカレートさせていくのである。

👎🏻2019年9月、北星中学校にて「謝罪の会」が開かれる事になったのだが、弁護士同席に対して難色を示した学校側はまず録音を禁止し、校長や教頭は最初に渋々と挨拶するや否や教員たちと共に全員退席してしまう。それにより爽彩さんの母親と弁護士、A子とB男とその保護者たちのみで行う事に。しかし、A子は反省の様子を一切見せずに、それどころかイジメとの関連性を問うと「証拠はあるの?」と太々しい態度で逆らってきたという。その保護者たちもまた迷惑そうに被害者や母親の心情を逆撫でする発言をしてきたという。

 👎🏻教頭はこの事件について「猥褻画像の拡散は校外で起きた事なので学校としては責任を終えない」「加害者たちにも未来がある」と発言。

 👎🏻自殺未遂により警察の捜査が始まると、A子たちはイジメ行為がバレるのを恐れて自分らのスマホを初期化して証拠隠滅をした上で、警察の調べに対して「母親の虐待が原因」と証言したのだ。それにより警察は、入院中の爽彩さんとの面会を禁止させた。(結局、A子たちが仲の良い友達だと言う事に不審を抱いた母親は警察に相談し、A子たちのスマホを復元することに。それによりイジメの一部始終が発覚した)

👎🏻自慰行為を強要したり猥褻画像を拡散するなどして陰湿なイジメ行為によって被害者を精神的に追い詰めた事は《自動ポルノ製造による法律違反》に該当したものの、まだ未成年という理由で刑事責任に問われず(少年法に基づき)、A子たちはただの厳重注意処分で終わったのである。 

 👎🏻爽彩さん亡き後、校長は「爽彩さんは小学生の頃からパニック状態になる傾向があり、その事は小学校から引き継がれていた。自殺未遂をする数日前も母親と口論になり公園を飛び出す出来事もあるほどで、以前から自殺願望があったと思います。今回の事もイジメではなく、自慰行為強要と被害者の死亡に関係性はありません」と発言。

👎🏻爽彩さんの葬儀には北星中学校の関係者は誰一人お線香を上げにはこなかった。勿論加害者のA子たちもその保護者たちも知らん顔。

 

 生前、爽彩さんは「どうして先生はイジメたほうの味方にはなって、爽彩の味方にはなってくれないの?」と訴え、泣いていたそうです。

 この事件にはA子ら3人以外にも複数の未成年が絡んでいる為、大々的な報道はされず詳細を知る者は少なかったが、つい最近、この事件が文春オンラインの記事として取り上げた事によって瞬く間に日本中に拡散され、今現在もネット上で数多くの者がこの事件について発言しています。更には、加害者であるA子らは勿論の事、当時の校長や教頭や担任へのバッシングも激しくなり、抗議や怒りの電話やメールが殺到し、嫌がらせや脅迫も受けているそうです。おまけにネット上では加害者らの氏名や住所、顔写真まで掲載される始末。これにより二次被害を恐れて加害者たちや学校関係者の自宅を警察が巡回パトロールしているほどです。

 そして一番世間の怒りを買ったのが「今日は彼氏とデートなので、相談は明日にしてもらえますか?」発言ですね。未熟とはいえ教員としてこの対応は失格ですよ。普通は逆で、教員である彼女が彼氏に「これから保護者の相談を聞くので、デートは明日にしてもらえますか?」であるのが当然だと思います。

🙎🏻‍♂️最後に。近々正式に第三者委員会が開かれるそうです。亡くなられた爽彩さんの無念を晴らす為にも、徹底した事件の解明と、改めて加害者たちへの処罰を厳しくしてほしいものです。あと、隠蔽しようとした学校側にも厳しい処置が必要かと思います!

 

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